オピニオン
論点整理と視点。
「黒字リストラ」という矛盾 — 人手不足の中で加速する大企業の戦略的人員削減を読む
パナソニック・三菱電機・第一生命など日本大手企業が過去最高益の中で早期退職を募集している。AIと株主圧力が生む「黒字リストラ」は労働市場をどう変えるか。両論を構造的に整理する。
炭素除去の産業化が始まった — CCUS投資ブームの実態と「ネットゼロの最終手段」の可能性と限界
IEAの試算では2026年時点のCCUS稼働容量は5,000万トンCO2/年に達した。政府補助と民間投資が重なりCCUSは産業化の入口に立つが、スケールアップの課題と費用対効果への問いは消えていない。
ドル覇権の耐久性とBRICS通貨の現実 — 多極化する国際通貨秩序の論点整理
ドル基軸通貨体制の終焉を唱える声とその持続性を主張する論拠が交錯する2026年。BRICSの脱ドル化の実態と限界、そして国際通貨システムの変容が日本に何を意味するかを論じる。
株価650%増の防衛株バブルと日本の防衛産業が本当に越えるべき壁
三菱重工・IHI・川崎重工の株価が2022年比で2〜7倍に跳ね上がった。防衛費GDP比2%への倍増計画は確かに市場の期待を生んでいるが、人材不足・技術の民間転用制限・輸出経験の薄さという構造問題は、「産業の復活」を容易には許さない。
AI投資ブームと生産性統計の「謎の乖離」— 数百兆円の設備投資がGDPデータに現れない理由
2026年、米国の主要5社だけで年間約600億ドルをAIインフラに投入しているが、公式の生産性統計には大幅な押し上げが確認できない。タスクレベルの生産性向上が組織・マクロレベルに転換されない「AI生産性パラドックス」の構造と、真の恩恵が顕在化するための条件を論じる。
EU AI法と産業競争力のジレンマ — 欧州規制が投資を米中に流出させるリスク
EUのAI法(AI Act)の高リスク規制とGPAI要件が本格施行される中、シーメンスが1000億円規模のAI投資を欧州外に移す可能性を示唆した。規制の先導役と産業空洞化の懸念を論点整理する。
AIが突き動かす電力需要の方程式 — データセンター急増が問うエネルギーインフラの持続性
IEAの試算では2030年までにデータセンターの電力需要は現在の2倍超に達し、AI専用施設ではさらに4倍以上になる。日本はその需要増の半分以上をデータセンターが占めるとされ、電力・脱炭素・立地の問題が交差する。
コーポレートガバナンス改革の第2フェーズ — ROE向上から「成長投資」へのパラダイムシフト
2026年2月に公表されたコーポレートガバナンス・コードの第3次改訂案は、過去10年の「資本効率改善」局面から「企業価値の持続的成長」へと焦点を移す転換点とされる。改訂の論点と経営への示唆を整理する。